「灰の水曜日」の典礼(ミサ)で使われる「言葉」は以下のとおりです。ミサ、「灰の式」に参加できない方も、この「み言葉」で黙想してみてください。
《入祭唱》(知恵11・23-24参照) 神よ、あなたはすべてのものをあわれみ、お造りになったものを一つも嫌われることはない。あなたは人の罪を見逃し、回心する人をゆるしてくださる。まことにあなたはわたしたちの神。
《集会祈願》 人々の回心をお望みになる神よ、四旬節の初めに当たり、福音を信じてキリストの弟子となったわたしたちに、悪霊に対して戦う力をお与えください。聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
《第一朗読》(ヨエル2・12-18) 新共同訳
主は言われる。「今こそ、心からわたしに立ち帰れ 断食し、泣き悲しんで。衣を裂くのではなく お前たちの心を引き裂け。」あなたたちの神、主に立ち帰れ。主は恵みに満ち、憐れみ深く 忍耐強く、慈しみに富み くだした災いを悔いられるからだ。あるいは、主が思い直され その後(あと)に祝福を残し あなたたちの神、主にささげる穀物とぶどう酒を残してくださるかもしれない。/シオンで角笛を吹き 断食を布告し、聖会を招集せよ。民を呼び集め、会衆を聖別し 長老を集合させよ。幼子(おさなご)、乳飲み子を呼び集め 花婿を控えの間から 花嫁を祝いの部屋から呼び出せ。祭司は神殿の入り口と祭壇の間で泣き 主に仕える者は言うがよい。「主よ、あなたの民を憐れんでください。あなたの嗣業(しぎょう)である民を恥に落とさず 国々の嘲り(あざけり)の種としないでください。『彼らの神はどこにいるのか』と なぜ諸国の民に言わせておかれるのですか。」/そのとき 主は御自分の国を強く愛し その民を深く憐れまれた。
《第二朗読》2コリント5・20〜6・2 本田哲郎訳「コリントの人々への手紙」 新世社
小さくされた者たちは、人々を神と和解させる介添え人(かいぞえにん)
それで、わたしたちは神がうながされるままに、キリストの代理をつとめています。/キリストに代わってお願いします。神と和解してください。神は、道のふみはずしとは縁のない方を、わたしたちのために道をふみはずさせたのです。そのおかげで、わたしたちはその方と一体のものになることによって、神の正義を身に帯びる者となっています。/神に協力する者としてわたしたちはお願いします。あなたたちが受けた神の好意をむだにしないようにしてください。神は言っておられます。「しかるべき時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、あなたを助けた」。(イザヤ49・8)さあ、今こそ、そのしかるべき時、きょうこそ救いの日です。
《詠唱》詩編95・8ab参照)*四旬節の間は「アレルヤ唱」ではなく「詠唱」となります。
神にこころを閉じてはならない。きょうこそかみのことばを聞こう。
《福音》マタイ6・1-6、16-18 本田哲郎訳「小さくされた人々のための福音—四福音書および使徒言行録—」 新世社
解放のための行いで、人々の受けをねらうな
「解放のためのあなたたちの行いを、見てもらうために人前ですることのないように、気をつけなさい。さもないと、天の父のもとでむくいはない。あなたが痛みを覚えて援助をするときには、あの偽善者たちが会堂や街角でしているように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきり言っておく。かれらはすでいむくいを受けている。痛みを覚えて援助をするときは、右手のすることを左手に分からせないようにしなさい。こうして、あなたのその援助はかくれたものとなる。それで、かくれたところで見ておられる父が、あなたにむくいてくださるのだ」。
貧しく小さくされた者の祈りは、かならず聞かれる(ルカ11・2-4)
「あなたたちが祈るときには、あの偽善者たちのようであってはならない。かれらは、人々に見えるように、会堂や大通りの角に立って祈るのをこのむ。はっきり言っておく。かれらはすでにむくいを受けている。あなたが祈るときは、物置に入って戸をしめ、かくれたところにおられる父に祈りなさい。そうすれば、かくれたところで見ておられる父が、あなたにむくいてくださるのだ。
断食しても、しずんだ顔つきをするな
「断食するときには、あなたたちはあの偽善者たちのように、しずんだ顔つきをしてはならない。かれらは、断食していることが人々に分かるように、顔をよごす。はっきり言っておく。かれらはすでにむくいを受けている。断食するとき、あなたは頭に油をつけ、顔を洗いなさい。断食していることが人に気づかれず、かくれたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、かくれたところで見ておられるあなたの父が、むくいてくださるのだ」。
《灰の祝福》*説教の後、司祭は灰を祝福する
皆さん、回心のしるしとしてわたしたちが頭に受けるこの灰を、神である父が祝福してくださるよう、心から祈りましょう。
全能の神よ、あなたは、罪びとの死ではなく回心を望まれます。わたしたちの祈りをいつくしみ深く聞き入れ、この灰を祝福してください。土から出て土に帰って行くわたしたちが、四旬節の務めに励み、罪のゆるしを受けて新しいいのちを得、復活された御子の姿にあやかることができますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。