バチカン」カテゴリーアーカイブ

生命アカデミー:パンデミック下に必要な倫理・協力・連帯

バチカン放送日本語課[2020.7.22.]より

教皇庁生命アカデミーは、パンデミックの影響とそこからの再生を考察する文書を発表した。

教皇庁生命アカデミーは、パンデミック危機をめぐる文書を発表した。

「パンデミック時代の人類共同体」と題されたこの文書は、新型コロナウイルスによるパンデミック危機が人類に与える影響とそこからの再生を考察している。

同文書の内容は、主に三つのキーワード、「リスクに対する倫理の醸成」「国際協力の具体化」「責任ある連帯の推進」からなる。

わたしたちはこのパンデミックから何を学んだか、と同文書は問い、それは人間の「脆さ」であると同時に、いのちとは「恵み」であるという自覚であった、と述べている。

ウイルスの感染が国境を越えて拡大する中、互いに依存し合う関係にある人類と、その共同体の脆さに、より関心を払うよう強調している。

そして、情報の共有、支援の供給、資源の分配のための、相互の努力を呼びかけている。

特に、この感染症をめぐる医療とワクチン開発の重要性を示しつつ、そのための調整と協力の欠如は、同感染症の治療における妨げになるだろう、と記している。

生命アカデミーは、パンデミックと闘うために、第一に、リスクに対する倫理の大切さを説き、健康、いのち、尊厳が最も脅かされやすい人々に対する責任ある態度を呼びかけている。

次に、同アカデミーは、質の良い医療と基本的な薬へのアクセスが「普遍的な人権」として認識されるよう、グローバルな取り組みと国際協力の必要をアピールしている。

同時に、統合的かつ利害関係から自由で平等な科学研究の推進を願い、研究の公的側面が私的利益の犠牲にならぬよう希望。このようにして、特に、前例のない悲劇に直面する開発途上国を支えることができるよう願っている。

さらに同文書は、貧しい人々をはじめ、すべての人に平等な尊厳を認めることのできる、責任ある連帯の推進を訴えた。

最後に、生命アカデミーの文書は、すべての人により良い未来を可能にする人類の共存を思い描き、それを実現するための希望の態度へと人々を招いている。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために22 7月 2020, 15:27

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教皇、サマースクールの子どもたちとお会いに

バチカン放送日本語課[2020.7.21.]より

教皇フランシスコは、バチカン内のサマースクールに参加する子どもたちとお会いになった。

教皇フランシスコは、7月20日、サマースクールの子どもたちとお会いになった。

教皇が交流されたのは、バチカン内に設けられたサマースクールに通う児童たち。

このサマースクールは、バチカン市国行政庁が、同市国および教皇庁諸機関の職員の子どもたちのために今年主催したもので、働く保護者たちとその家族を思う教皇によって認可された。

同日午前9時、教皇は、パウロ6世謁見ホールのアトリウムで朝食をとっていた子どもたちをサプライズ訪問された。

教皇は子どもたちのテーブルを回られた後、ホール内に設けられた遊び場を見学され、参加者らとの交流の時を過ごされた。

この後、教皇は謁見ホールのステージ前で、児童の質問に答えたり、新しい友だちを作るよう子どもたちを励まされた。

教皇は、「一人で楽しもうとする人はエゴイストです。楽しむには、みんなと一緒、お友だちと一緒でなければいけません」と、子どもたちに話された。

お住いのサンタ・マルタ館に戻られる前に、教皇はサマースクールで奉仕するスタッフたち一人ひとりに感謝の言葉をかけられた。

「夏のオラトリオ」と言えるこのサマースクールは、バチカンで働くサレジオ修道会の会員らと児童司牧の専門家グループによって企画・運営されている。

特に新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、衛生と安全に配慮したプログラムと環境のもとに行われている。

開催期間は7月6日から31日まで。保護者らが勤務している間、子どもたちは朝から夕方まで、グループでの遊びや、スポーツ、祈り、また庭園の見学などに参加できる。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために21 7月 2020, 14:57

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聖職者省:「福音宣教に奉仕する小教区へ」指導書発表

バチカン放送日本語課[2020.7.20.]より

教皇庁聖職者省は、小教区の司牧的回心をめぐる指導書を発表した。

教皇庁聖職者省は、指導書『教会の福音宣教的使命に奉仕する小教区の司牧的回心』を発表した。

同文書は、洗礼を受けたすべての者のよりいっそうの共同責任のしるしのもとに、小教区共同体の司牧的ケア、および小教区活動への聖職者・信徒など様々な人々の参加をテーマにしたもの。

この文書は、唯一の神の家族のもと、また一人ひとりの召命の尊重のもとに、「教会にはすべての人に場所があり、すべての人が自分の場所を見つけることができる」ことを思い出させている。

この指導書は、新しい法令を記すものではない。既存の規則のより良い適用を提案し、すべての信者の共同責任、寄り添う司牧、小教区間の協力を促すものである。

全11章からなる本文は、大きく二つの部分に分けられる。

前半部(1~6章)では、宣教的意味、また現代における小教区の価値という観点から、司牧的回心について広く考察している。

人々の中におられる復活の主の恒久のしるしとして、小教区は「家々の中の家」であり、その宣教的意味は福音宣教にとって本質的なものである。

グローバル化とデジタル社会によって、小教区と「地域・地区」との関係は、地学的空間から、実存的空間へと変化した。まさにこれを背景に、時の要求に応え、信徒や状況に合わせた奉仕をする、「柔軟性」のある小教区の必要が浮かび上がってくる。

「宣教性」を鍵とする小教区の刷新には、霊的活力と、御言葉の告知・秘跡生活・愛徳の証しに基づいた司牧的回心がポイントとなる、と同文書は述べている。

後半部(7章~11章)では、教区内での小教区の区分けをめぐる分析や、小教区活動における様々な役割、対応規則の適用方法などについて述べている。

同文書では、特に小教区共同体の「専属の司牧者」としての主任司祭の役割に触れている。主任司祭は小教区のために奉仕し、人々の魂の世話について責任を持つ。

主任司祭は司祭叙階を受けていなければならない。その他のいかなる可能性もあり得ない。

小教区の財産管理者、また小教区の法的代表者である主任司祭の、その任命期間には期限がない。なぜならば、人々の魂の世話のためには、安定性と、共同体やその周りのことをよく知っている必要があるからである。

しかしながら、同文書は、司教協議会の教令のある場所では、司教は主任司祭を有限の期間任命することができる、と指摘している。ただし、その任命期間は5年以下であってはならない。

主任司祭には、75歳に達した時、引退願いを提出する「倫理的義務」がある。しかし、司教がそれを受理し、文書で通告するまでは、その任期は終わらない。

この指導書は、助祭の役割にも言及している。助祭は、叙階を受けた者で、福音宣教の唯一の使命において、司教と司祭の協力者である。助祭は、特に福音宣教や、慈善活動、みことばの宣言、エウカリスチアの祭儀補佐などの分野で奉仕する。同文書は、教皇フランシスコの言葉を引用しながら、助祭のキーワードとは「奉仕である」と述べている。助祭は独自の召命を持っており、彼らを「半分司祭・半分信徒」のように理解してはならない、と記している。

同文書は、小教区共同体内の奉献生活者や信徒の役割についても考察している。

奉献生活者は、福音に徹して生きることのしるしを帯びながら、その特別な恵みと共に、小教区共同体の内に存在する。奉献生活者の霊性は、信徒にとっても、聖職者にとっても、自らの召命を生きるための重要な源泉である。奉献生活者が小教区の宣教の使命に貢献できるのは、まず何よりもキリストに完全に従うものとしてのその「生き方」を通してである。

信徒は、洗礼や堅信、そして他の秘跡の力のうちに、教会の福音宣教活動に参加する。信徒の召命とミッションは、「人間のあらゆる活動を福音によって変容させ」「この世のことを扱いながら、それを神に照らして考え、神の御国を求める」ことである。今日、すべての信徒は、福音に一致した生活の証しと、小教区共同体の奉仕を通し、福音宣教への寛大な取り組みを求められている。

同指導書は、小教区の司牧活動において、信徒らが責任を持って引き受けることのできる任務に、たとえば、カテキスタ、ミサ侍者、グループや組織の教育担当、福祉事業での奉仕者、様々な形での助言・傾聴、病者への訪問、などを挙げている。

信徒は、朗読者そして侍者として、任命式をもって、安定した形でその任を負うことができる。

そして、同書は、特殊などうしても不可能な状況において、助祭・奉献生活者・信徒に託すことのできる他の任務について記している。

真に特殊な状況においては、司教は慎重な判断をもって、主任司祭の指導と責任の下に、他の任務を、助祭・奉献生活者・信徒に託すことができる。それらは、たとえば、ことばの祭儀の司会、葬儀、洗礼などである。

また、信徒は必要かつ特殊な場合に、教会やオラトリオで説教を行うことができる。ただし、いかなる場合も、ミサ聖祭での説教を行うことはできない。

さらに、聖職者不在の場所において、司教協議会の賛成票と、教皇庁の認可のもと、信徒に結婚の立ち合いの任務を託すことができる。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために20 7月 2020, 19:48

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教理省:未成年者虐待のケースにおける対応手引書を発表

バチカン放送日本語課[2020.7.17.]より

教皇庁教理省は、未成年者虐待の件における手続きの要覧を発表した。

教皇庁教理省は、7月16日、聖職者による未成年者虐待のケースに対応するための手続きについての要覧を発表した。

「聖職者による未成年者虐待ケースへの対応における手続き上のポイントについての要覧」と題されたこの文書は、全9章、およそ30ページからなる。

この文書は、聖職者による未成年者虐待の件への対応をめぐる主な問いに答える手引き書としての性格を持つ。この問題に関する新たな規則や法規を記すものではなく、むしろ、この重大な犯罪をめぐり、教会法の具体的適用のための解釈を必要とする司教や関係者を助けるものである。

同要覧の作成は、2019年2月、世界の司教協議会会長が集いバチカンで開催された、未成年者の保護をめぐる司教会合の席で要請されたもので、今回発表されたバージョンは、将来の定期的な見直しを予想して「1.0版」と名付けられている。

一つの犯罪はどのように形成されるか、事前の調査はどのように進められるか、刑法上可能な手続きは、など、いくつかの問いに答えながら、現行法や、ヨハネ・パウロ2世によって2001年に公布され、2010年にベネディクト16世によって更新された自発教令「サクラメントールム・サンクティタティス・トゥテーラ」、そして、2019年の教皇フランシスコによる自発教令の形をとった使徒的書簡「ヴォス・エスティス・ルクス・ムンディ」の内容に触れている。

この要覧からは、特に四つの重要な点が浮かび上がる。

まず一つは、当事者らの人間としての保護の必要である。教会の責任者らには、「被害を訴える人とその家族が尊厳と尊重をもって扱われるよう取り組む」ことが求められる。そして、これらの人々に、霊的・医療的・心理学的な助けはもとより、ケースに応じた特定の方法をもって、心のこもった対応、傾聴、寄り添いを行うことが必要と記している。ここでは、訴えられた人に対する同様の配慮にも触れている。

二番目に、虐待と推定されるケースをめぐり、司教が受け取ったあらゆる情報を細心の注意をもって入念に審査する必要が挙げられる。たとえ、正式な告発がなかった場合や、ソーシャル・ネットワークを含むマスメディアによってニュースが流布した場合、情報源が匿名の場合にも、受け取ったすべての情報を注意深く審査し、深く掘り下げるよう、同要覧は助言している。また、告解の秘匿義務は当然有効であるが、この場合、聴罪司祭は、告解者に、推定される虐待の情報を別の方法で告げるように説得しなくてはならない。

この手引きが示す三つ目の重要な点は、「コミュニケーション」のあり方である。事前調査の間、被害を訴える人と証言者には「事件をめぐり沈黙を守る義務」はないことを強調する一方、関係者らに「職務上の守秘義務」を尊重するよう思い出させている。いずれにせよ、不適切かつ不正な情報が、特に事前調査の段階で公に流布され、既成事実であるかのような印象を与えることがないようにと願っている。

最後、四番目の重要なポイントは、教会と国家の協力である。たとえば、教会の責任者は、明白な法的義務がなくても、犯罪的行為の危険から未成年者らを守るために必要と思われる時はいつでも、自治体の担当機関に通告するよう、同要覧は強調している。同時に、個々のケースの調査においても、各国の法律を尊重するよう指示している。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために17 7月 2020, 15:36

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先住民族支援のための教皇寄贈の人工呼吸器、ブラジルに届く

バチカン放送日本語課[2020.7.15.]より

ブラジル・パラー州のカンパニャン病院に、教皇フランシスコが寄贈した人工呼吸器が、届けられた。

教皇フランシスコは、新型コロナウイルスの感染が拡大するブラジルに向け、バチカンから4台の人工呼吸器を贈られたが、このうちの1台が7月12日(日)、パラー州・マラバに到着。駐ブラジル教皇大使の手を通して、マラバ教区司教に渡された。

この人工呼吸器はさっそく、新型コロナウイルス感染症患者を専門に受け入れるカンパニャン病院に、マラバ司教ヴィタル・コルベッリーニ師によって届けられ、短い贈呈式が行われた。

コルベッリーニ司教は、バチカン・ニュースのインタビューで、教皇の連帯の行為に深い感謝を表明すると共に、この人工呼吸器をすべての人々、中でも最も貧しい先住民族の患者たちのために使うよう願うつもりである、と述べた。

また、同司教は、地元の新聞に対し、教皇の先住民族に寄せる心を伝える一方、しばしば権利を侵害されているこれらの人々に対し、政府があまり関心を寄せていないこと、自分たちの土地や森や河を占領されている先住民族に愛情を持って寄り添い、彼らがより良く暮らせるよう助ける必要を強調した。

カンパニャン病院では、新型コロナウイルスに感染した先住民族の患者のために10床を準備しているが、現在その中の2床が使われているという。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために15 7月 2020, 15:24

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ゲオルグ・ラッツィンガー師死去、ベネディクト16世の兄

バチカン放送日本語課[2020.7.1.]より

名誉教皇ベネディクト16世の兄、ゲオルグ・ラッツィンガー師(96)は、ドイツ・レーゲンスブルクで帰天した。

名誉教皇ベネディクト16世の兄、ゲオルグ・ラッツィンガー師(96)は、7月1日、ドイツ・レーゲンスブルクで帰天した。96歳であった。

ベネディクト16世は、先月18日、兄ゲオルグ師の病状悪化に伴い、見舞いのため、緊急にレーゲンスブルクを訪問、同月22日まで現地に滞在された。

レーゲンスブルク教区の発表によれば、名誉教皇は同地滞在中、ゲオルグ師を数回にわたり見舞い、共にミサを捧げることができた。

3歳年上の兄ゲオルグ師と幼少から固い絆で結ばれたベネディクト16世は、1951年6月29日、フライジング大聖堂で兄弟共に司祭に叙階されている。

**********

ゲオルグ・ラッツィンガー師は、1924年1月15日、バイエルン州のプライスキルヒェンに生まれた。11歳の時から、小教区の教会でオルガンを弾き始めた。1935年、トラウンシュタインの小神学校に入ったが、1942年、国家労働奉仕団に徴員、その後、ドイツ国防軍に徴兵された。1945年、連合軍の捕虜となり、ナポリに数か月収容された後、解放された。1947年、弟ヨゼフと共に、ミュンヘンのヘルツォークリッヒェス・ゲオルジャーヌム神学院に入り、1951年6月29日、兄弟揃って、他の40人ほどの仲間と共にフライジング大聖堂で、ミヒャエル・フォン・ファウルハーバー枢機卿により、司祭に叙階された。

トラウンシュタインの聖歌隊の指揮者となった後、1964年から1994年まで30年間にわたりレーゲンスブルク大聖堂の聖歌隊の指揮者を務めた。関連記事を読む22/06/2020

世界各地をコンサートのために訪問。バッハ、モーツァルト、メンデルスゾーンなど多くの作曲家の作品の録音を監修した。

2008年8月22日、ゲオルグ師がカステル・ガンドルフォ市から名誉市民号を贈られた際、ベネディクト16世は市長への感謝の挨拶で次のように述べた。

「わたしが小さな時から、兄はわたしにとって同志であるだけでなく、信頼のおける導き手でもありました。わたしに、方向性と拠り所をはっきりと、決然とした選択をもって示してくれました。困難な状況の時も、わたしに取るべき道をいつも示してくれました。」

 一方、ゲオルグ師は、11年前のインタビューで次のように語った。

「弟とわたしは二人揃って、ミサに侍者として奉仕していました。早くから、まずわたしが、次に弟が、自分たちの人生は教会に奉仕することにあると、はっきり意識しました。」

また、ゲオルグ師は少年時代の思い出を次のようにも話している。

「ティットモニングで、ヨゼフは、ミュンヘンの偉大な大司教、ミヒャエル・フォン・ファウルハーバー枢機卿から堅信の秘跡を授かりました。その体験に深い感銘を受けた彼は、自分も枢機卿になりたい、と言いました。しかし、それから何日もたたないうちに、彼は家の壁を塗っていた職人さんをじっと観察しながら、大きくなったら壁塗り職人になりたいと言いました。」

 ゲオルグ師は戦争中の暗い時代と、ナチズムに反対していた彼らの父親を思い起した後、家族が共有していた音楽への愛について語った。

「わたしたちの家では、皆が音楽を愛していました。父はよく夜にチェトラを弾いていました。わたしたちは声を合わせ歌っていました。それはわたしたちにとっていつも特別なひと時でした。マルクトル・アム・インには楽隊がいて、わたしはそれにすっかり魅了されました。わたしはいつも、音楽は神がお創りになった中でも最も美しいものの一つと考えていました。弟もいつも音楽を愛していましたが、たぶんわたしの影響なのでしょう。」

  ゲオルグ・ラッツィンガー師は、率直な人となりで知られ、例えば、2005年4月、弟が教皇に選出された時も、その結果に抱く思いを包み隠さず語っている。

「正直言って、このような結果になるとは思っていませんでした。自分としては少し気落ちしました。教皇としての重大な責務を思えば、わたしたちの交流もかなり縮小されるでしょう。しかし、いずれにしても、枢機卿の方々の人間的な判断の背後には、神の御旨があります。これをわたしたちは受け入れなくてはなりません。」

また、2011年、ドイツのある雑誌のインタビューで、ゲオルグ師はこのように述べている。

「体力的にこれ以上は無理であるところまで来たら、弟は引退する勇気を持っているはずです。」

そして、ベネディクト16世の高齢を理由とする歴史的な引退宣言がなされる数か月前、ゲオルグ師は、その決意を聞いた人々の一人となった。

2013年2月のベネディクト16世の引退宣言の後、ゲオルグ師はこう述べた。

「彼は高齢を感じています。弟は晩年にせめてもの平安を望んでいます。」

ゲオルグ師は目と脚の不自由をおして、レーゲンスブルクとローマを往復し、ベネディクト16世が引退後に生活するマーテル・エクレジエ修道院をしばしば訪ねていた。
大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために01 7月 2020, 14:11

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教皇によるロザリオの祈り、5月30日、バチカン庭園で

バチカン放送日本語課[2020.5.26.]より

イタリア時間5月30日(土)17時30分より、バチカン庭園で、教皇フランシスコによるロザリオの祈りがとり行われる。この模様は、バチカン・ニュースでビデオ中継される。

「聖母月」の終了を前に、教皇フランシスコは、イタリア時間の5月30日(土)17時30分(日本時間:5月31日(日)0時30分)より、バチカン庭園にある「ルルドの洞窟」前でロザリオの祈りをとり行われる。

この模様は、バチカン・ニュースを通しビデオ中継される。

教皇によるこのロザリオの祈りは、教皇庁新福音化推進評議会(議長:サルバトーレ・フィジケッラ大司教)の企画によるもの。

パンデミック危機に苦しむ人々に教皇はあらためて寄り添い、神に救いと助けを祈り求め、聖母の取り次ぎを願う。

このロザリオの祈りは、現在の状況下、通常の活動や巡礼者が途絶えている、世界の巡礼地、ルルド(フランス)、ファティマ(ポルトガル)、チェンストホヴァ(ポーランド)、サン・ジョヴァンニ・ロトンド(イタリア)、ポンペイ(イタリア)、エレレ(ナイジェリア)、ルハン(アルゼンチン)、グアダルーペ(メキシコ)などからの中継を交えて行われる予定。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために26 5月 2020, 16:26

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バチカン美術館とカステル・ガンドルフォ教皇離宮、6月から再公開へ

バチカン放送日本語課[2020.5.24.]より←ここをクリックしてバチカン美術館の紹介動画をご覧ください。

バチカン美術館と、カステル・ガンドルフォ教皇離宮博物館は、6月から再び一般公開される。

新型コロナウイルス感染拡大予防措置のため、一時休館していたバチカン美術館と、カステル・ガンドルフォ教皇離宮博物館は、2020年6月から再び一般公開される。

バチカン美術館は、2020年6月1日(月)、一般見学者を対象に再び開館する。臨時休館以来、およそ3ヵ月ぶりの再開にあたり、同美術館は、安全と衛生上の必要に最大限に応えると共に、美術鑑賞の本質を失わないための配慮に取り組んでいる。

こうしたことから、同美術館は、衛生基準とソーシャル・ディスタンスの厳格な尊重のもと、すべてのビジターに体温測定器を通したチェックを行い、マスク着用者のみに入場を許可する。

開館時間内は、バチカン市国の保健衛生局と共にイタリアの救急隊員が待機し、あらゆる必要に対応する。

見学をめぐるその他の重要な事項は、パンデミック状況の行方に応じて、その都度、特別な計画に沿って設定される。

入場をよりよい方法で制限するために、バチカン美術館へのアクセスには予約が必要となる。予約は、公式サイトwww.museivaticani.vaで直接行うことができる。この特別な期間においては、予約料4ユーロは課されない。

また、開館時間も変更される。月曜日から木曜日までは10時から20時(入館は18時まで、各展示セクションからの退出は19時30分から)、金曜日と土曜日は10時から22時(入館は20時まで、各展示セクションからの退出は21時30分から)となる。

毎月最終日曜日恒例の無料開館は、今のところ休止される。

バチカン美術館と共に、カステル・ガンドルフォの教皇離宮博物館も再公開される。

教皇の夏の離宮とその素晴らしい庭園は、新型コロナウイルスによる緊急事態の終了までは、土曜日と日曜日のみ、10時から18時まで(入場は17時まで)見学できる。最初の再公開日は、2020年6月6日(土)を予定している。

すべてのビジターは、体温チェックを受け、マスク着用者のみ入場が許可される。見学希望者には、バチカン美術館の公式サイトを通しての予約が求められる。

毎週土曜日出発のバチカン市国駅から教皇離宮に向かう特別列車は、運休となる。大きなミッションのためにあなたの支援を:すべての家に教皇の声を伝えるために24 5月 2020, 10:27

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人間開発省・移民難民局:「国内避難民の司牧指針」発表

バチカン放送日本語課[2020.5.5.]より

教皇庁人間開発省・移民難民局は、「国内避難民の司牧指針」についてガイドブックを発表した。

教皇庁人間開発省・移民難民局は、5月5日、「国内避難民の司牧指針」を記したガイドブックを発表した。

国内避難民モニタリングセンター(Internal Displacement Monitoring Centre、IDMC)によれば、2018年末の全世界における国内避難民は、約4130万人と、統計開始以来、最高を記録している。

国内避難民の発生には様々な背景があり、その主な原因として、武力紛争、暴力の常態化、人権侵害、自然災害(突然のもの、あるいは何年もかけて進行するもの)があるが、また、都市の再開発、大規模なインフラ整備などによるものもある。

避難民の生活が、遠隔の地で長期にわたる場合、教育や、仕事、所有財産、生活に必要な支援へのアクセスが複雑・困難になり、未来の展望も容易ではなくなる。

このたび人間開発省・移民難民局が発表した、国内避難民の司牧をめぐる指針書は、「受け入れる」「守る」「推進する」「統合する」の4つのテーマにおいて、122のガイドラインを示している。

国内避難民の状況は複雑で、国際社会の介入が難しく、またメディアや一般社会の関心も薄いために、その存在は忘れられ、避難民らの立場はますます弱いものになっている、と同指導書は指摘。教会は、政府はもとより、広くメディアや社会に、国内避難民への関心を呼びかける必要があると説いている。

そして、避難民を保護するための様々な働きかけ、人権擁護のための法整備、子どもや家族への特別な配慮、人身取引防止のための情報や教育、人道支援要員の安全確保の必要などを記している。

また、避難民の社会・経済生活への参与、医療サービスへのアクセス、子どもたちの権利、支援運営の透明性、物的だけでない精神的支援などの推進に触れている。

さらに、指針書は、避難生活からの生活再建、受け入れ先への適応、帰還の計画に、教会の支援・協力を促している。05 5月 2020, 15:40

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前教皇ベネディクト16世、93歳の誕生日

バチカン放送日本語課[2020.4.16.]より

前教皇ベネディクト16世は、4月16日、93歳の誕生日を迎えられた。
教皇公邸管理室・室長で、ベネディクト16世の秘書であるゲオルグ・ゲンスヴァイン大司教によれば、前教皇は、引退後のお住い、マーテル・エクレジエ修道院で、簡素さのうちに、感謝をもって誕生日を迎えられた。
新型コロナウイルスの感染拡大防止措置がとられる中、前教皇は訪問を受けることはなかったが、兄ゲオルグ師をはじめ、多くの人々からのお祝いの電話や手紙、メールを受け取ったという。
ゲンスヴァイン大司教によれば、前教皇はパンデミックの状況の情報に絶えず接すると共に、新型コロナウイルスの感染者とこのパンデミックによって苦しむすべての人々のために、毎日祈られている。
ベネディクト16世は、特にイタリア北部などで、新型コロナウイルス患者への奉仕の中で亡くなった多くの司祭や、医師、看護師のために心を痛められ、悲しみを共にされているという。
そして、前教皇は憂慮のうちにも、希望を捨てることなく状況を見守っておられる、とゲンスヴァイン師は語った。
16 4月 2020, 14:30

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